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下肢静脈瘤

Varicose

下肢静脈瘤|千早の内科・外科・足のクリニック - よしだ内科・外科・足クリニック

VARICOSE

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は、足から上半身に向かう静脈内の血液の逆流を防止する「静脈弁」が必要以上に開いたり、弁が壊れた状態となり、血液が逆流することにより、足の静脈の血管内に血液が徐々に溜まり、静脈の血管が数珠状に膨らんでしまう病気です。
下肢静脈瘤は血管を扱う血管外科医もしくは循環器内科医が診断・治療していく疾患で、血管外科や循環器内科を標榜していないクリニックでの治療・手術は大変危険です。また、下肢静脈瘤手術において保険適応外の自費手術をすすめてくるクリニックも存在しますが、我が国のガイドラインで定められていない手術器具を使用しての手術法です。下肢静脈瘤手術において保険適応で手術できない病変は存在しません

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤下肢静脈瘤のメカニズム

もし1つでも、お心当たりがある人は下肢静脈瘤の可能性があります。

  • 足がつる(こむら返り、特に明け方)
  • 足がむくむ(特に昼~夕方)
  • 足が痛い、だるい、重い、疲れ易い
  • 足の痒み(かゆみ)がおさまらない
  • 足の血管がボコボコ(瘤がある)浮き出ている
  • 足の皮膚に色素沈着(茶色っぽい状態)ができた
  • 足の皮膚に潰瘍ができた

下肢静脈瘤の治療方法

当院では症状と下肢超音波検査の結果から、当院院長の血管外科医が責任を持って正しい診断と患者様に十分な説明を行い、患者様の希望も含めて最も適切な治療方法を選択します。下肢静脈瘤の治療は全て保険適応で治療します。

下肢静脈瘤の各種治療の比較

術後の痛み 治療効果 日常生活への制限 保険適応
弾性ストッキングのみ × ×~△ 一部適応(注1)
硬化療法 適応
高位結紮術 適応
ストリッピング手術 × 適応
レーザー治療 適応
グルー治療 適応
  • 青枠:当院で行っている治療
  • 注1:リンパ浮腫や入院後の深部静脈血栓症など一部保険適応です

治療方法

弾性ストッキングによる圧迫療法

ふくらはぎを圧迫し足にたまった血液を下から上へ押し上げ、症状の改善をはかります。しかし、弾性ストッキングを脱いでしまえば、効果はなくなります。また、長期間のストッキング着用により、皮膚がかゆくなったり、かぶれたりすることもあります。まずは、弾性ストッキングをはいて経過をみるというのも、一つの選択肢です。ただし、弾性ストッキングをはくことは、根本的に治す治療ではなく、あくまでも症状の改善を図るための保存的治療になります。

硬化療法(保険適応)

硬化療法(保険適応)
硬化剤(ポリドカスクレロール)の写真

硬化剤(ポリドカスクレロール)というお薬を注入して、外から圧迫をすることで静脈を閉塞させる治療です。直径3mm以下の小さな静脈瘤に対して適しています。治療は15分程度で終わりますが、静脈瘤が広範囲にわたる場合は複数回に分けて行うこともあります。硬化療法単独での治療よりは血管内治療後に追加することが効果的な治療法です。針を刺すだけなので、傷跡ができないですが、硬化剤により静脈に炎症を起こさせるので、お薬の注入時には痛みを感じます。静脈の走行に沿って色素沈着(皮膚のシミ)ができることがあります。

血管内治療(保険適応)

①血管内焼灼術

静脈の中に細いレーザーファイバーを通して、レーザーの熱によって静脈をふさいでしまう手術です。2014年に、波長1470nmレーザー治療が保険適用となっています。2011年より波長980nmレーザー治療は保険適用となっておりましたが、疼痛や皮下出血が起こりやすいという問題がありました。波長1470nmレーザー治療は、波長980nmレーザー治療と比較して、疼痛や皮下出血が減少しています。当院では波長1470nm半導体レーザーと全周性照射ファイバー(Radial fiber)を使用した血管内レーザー治療を行っています。麻酔はTLA麻酔(局所麻酔)で行い、症例によってはふくらはぎの静脈瘤はStab avulsion法(スタブ・アバルジョン法)で取り除きます。Stab avulsion法とは特殊な器具を使って1-2mmの傷から静脈瘤を取り除く方法です。スタブ・アバルジョン法による傷は非常に小さいので、傷跡も目立ちません。この一連の治療は長年静脈瘤手術を経験した血管外科医にしかできません

血管内焼灼術レーザーファイバー(Radial fiber)の写真

血管内焼灼術ELVeSレーザー1470の写真

②血管内塞栓術…グルー治療(ベナシール治療)

静脈の中に医療用の瞬間接着剤を静脈の中に注入し固めて、逆流をとめる新しい治療方法です。2019年12月より保険診療となりました。今までのレーザーやラジオ波による血管内焼灼術では、静脈を焼いてふさぐ治療のため、わずかですが神経障害などの合併症がおこることがありました。しかし、ベナシール治療では血管を焼灼させることはないのでこれらの合併症がほとんどおこりません。カテーテル挿入部位の1ヶ所のみの局所麻酔だけで治療可能で、術後の弾性ストッキング着用も必要がない場合があります。当日から仕事復帰も可能です。また、この治療で使用するシアノアクリレート系の瞬間接着剤は、これまでも医療用として血管内治療や皮膚接着などに広く使われており、安全性も問題ありません

血管内塞栓術…グルー治療(ベナシール治療)グルー治療(ベナシール)

血管内塞栓術…グルー治療(ベナシール治療)ベナシール(主成分:シアノアクリレート)

治療費について

診察内容 1割負担の場合 2割負担の場合 3割負担の場合
初診時(初診料+超音波検査) 約900円(税込) 約1,800円(税込) 約2,700円(税込)
硬化療法 約2,000円(税込) 約4,000円(税込) 約6,000円(税込)
レーザー治療(片足) 約1万1,600円(税込) 約2万3,300円(税込) 約3万5,000円(税込)
レーザー治療(両足) 約2万2,300円(税込) 約4万4,600円(税込) 約6万7,000円(税込)
グルー治療(片足) 約1万5,000円(税込) 約3万円(税込) 約4万5,000円(税込)
グルー治療(両足) 約2万9,000円(税込) 約5万8,000円(税込) 約8万7,000円(税込)
  • 令和2年の診療報酬改定後の治療費です。
  • 標準的な治療を行った場合のおおよその自己負担額となります。
  • グルー治療はベナシールによる保険診療です。
  • 弾性ストッキング・包帯を購入していただく場合は自費となります。

民間の保険について

民間の医療保険あるいは生命保険にご加入されている方は、日帰り手術(レーザー治療、グルー治療)をうけたときに手術給付金が支給される場合があります。通常、治療方法とは関係なく入院給付金日額の10倍(入院給付金が5,000円なら5万円)程度が支払われます。ご本人の加入されている保険によっては給付されない場合もありますので、詳しくは各保険会社にお尋ねください。保険給付ご希望の方は、各保険会社の所定の診断書をご持参いただければ当院で記載いたします(有料)。治療費が給付されるのは通常、手術のみで、硬化療法は給付の対象になりません。

下肢静脈瘤治療の流れ

1

初診日の予約

お電話もしくはWebで初診日の予約をお願いします。
受付・診療時間
平日:9:00-19:00、土曜日:10:00-18:00

2

診察および下肢超音波検査(必要時採血)

血管外科医師による診察と血管超音波専門技師による下肢超音波検査を行い、診察、結果説明を含めて約1~2時間かかります。必要時に弾性ストッキングを購入していただきます。

3

採血および心電図検査(手術希望者のみ)

手術希望の方は、手術内容の説明をうけて手術日の予約をします。同日に手術に備えて血液検査と心電図検査を行います。

手術日以降の流れ

1

手術日

病状にあった治療法で手術は局所麻酔もしくは静脈麻酔で約30分~1時間前後で終了します。手術が終わりましたらすぐに歩くことができます。患者様が落ち着くまで個室で休憩していただきます。一人で帰宅していただくことも可能ですが、できればご家族とご一緒にお帰りください。帰宅後は普段通りの生活ができますが、車の運転や激しい運動はお避けください。

2

手術翌日もしくは翌々日

包帯をはずして傷の状態をチェックし、抜糸はありません。

3

手術後の経過観察

下肢静脈瘤の手術後は再発や合併症があるため、十分な治療のために1年間の経過観察をお勧めしています。術後1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年後に診察があります。経過観察を希望されない方の場合は、その旨をおっしゃっていただければ、問題なければその時点で診察は終了です(困った際はいつでもご連絡ください)